子宮頸がん・円錐切除術後の出産

前回、第一子出産後に子宮頸がん検診に引っ掛かり、子宮頸部の一部を円錐状に切除する手術・円錐切除術(Cone Biopsy)を受けたことについてお話しましたよね。(まだ読まれてない方は→こちら

術後に、次回妊娠に影響してしまう後遺症として流産・早産リスクが高まることについて説明がありました。妊娠発覚時は、術後たったの4カ月で傷口もやっと癒えた頃だろうと言われていたのですごく不安でした。
円錐切除術を受けた人に限らず、オーストラリアで切迫早産になる方もおられると思うので私の経験をシェアしようと思いました。

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円錐切除後妊娠と普通の妊娠との違いは?

マイナーなトラブルを除いて簡単に説明すると、円錐切除未経験の妊婦さんと比べて円錐切除経験妊婦さんは早産率が1.5倍~3倍になるそうです。
早産とは妊娠22週から37週未満で赤ちゃんが生まれてしまうことです。もちろん赤ちゃんはお腹の中で育っているので、早産になり未熟だった場合は合併症のリスクも上がってしまいます。(命にかかわることも)
早産になることを防ぐために、産婦人科医・助産師さん・GPの先生などが協力をして定期的な検診・検査をしてくれます。
第一子の時は、少しお腹が張るくらいではだれも心配してませんでしたが、第二子の時は腰が痛いだけでもエコーしたりなどすごく慎重でした。

切迫早産への対策は?

円錐切除術とは、子宮の入り口と呼ばれる子宮頸部を切り取る手術です。健常な場合は約5センチあります。3センチあれば十分という調べがたくさんある様ですが、私の妊娠期間で色んな先生が仰っていた事は、子宮頸菅長(Cervical Length)はただの目安であり、必ずしも短い子宮頸菅長がすべての切迫早産に関係するわけではないそうです。
なので、エコーもお腹の上から見るだけではなく膣からのエコーもするのですが5分くらいエコーを入れっぱなしの時もありました。私の呼吸やリラックスした時・力を入れた時の頸管の長さ変化や・子宮頸部の厚さも見ていました。4センチあっても円錐切除術後に子宮頸管の壁がペラペラの人は明らかにハイリスクですよね。なので色々な状況でチェックしてくれました。

私の場合は、妊娠発覚後の一回目のエコーで子宮頸管は2.5センチでした。日本では3センチと言われていますがオーストラリアでは2.5センチ以下がハイリスク妊婦になるそうで、私はギリギリどうなんだろう?って感じでした。GPでの判断は難しいので産婦人科でオプションを聞けとの事でしたので行ってみると、オーストラリアでは早産ハイリスク妊婦が早産防止のために受けるTAC (Transabdominal Cerclage)→いわゆる子宮頸部を縫ってしまって赤ちゃんが下に降りすぎることを物理的に防ぐ手術も1つのオプションと聞きました。
それがあったら安心だし最高じゃん!と思ったのですが、やはりデメリットとして子宮頸部を縫う際の感染症・そして破水リスクがありました。

私の場合は、ギリギリゾーンにいたので先生からもし次のエコーで子宮頸菅長が著しく短くなっていた際に決めることもできると言われたので様子をみる事にしました。

28週で陣痛?

私は14週以降3-4週間に一回レベルでのエコーがありました。(もっと多い人も居ます。)オーストラリアでは、通常エコーをする場所は病院ではなくレントゲン・エコーだけを取り扱っているメディカルセンターに行く事が多いですが、ハイリスク妊婦は産婦人科でSonographer(超音波検査士)にエコーをしてもらいます。これが私が普段行ってたとこよりめちゃ高くてほんとに辛かった・・・(笑)
何度エコーに行っても子宮頸菅長や胎児に問題はなく、私はハイリスク妊婦ではないのでは?と思い始めました。周りの早産エピソードを聞いたりしていると、やはり私と同じ円錐切除後妊娠は少なくもともと子宮頸管が短いひとなどの話が多かったし、円錐切除後の子宮頸部はかさぶたのように固くなっていて逆に開かない!みたいなエピソードも聞きました。
次第にエコーに行くのもお金を無駄にしている気がし始めましたが、その頻繁なエコーも28週で終わりだから最後一緒に行こうとパパと長男と一緒に行ったところ・・・ソノグラファーが「先生と話をしてくるから少しこのまま待っててね。」と言って20分くらい居なくなりました。
平和ボケしていた私はまたオーストラリアあるあるの無意味な待ち時間かと思ってくつろいでましたが、かえって来たソノグラファーが真剣な顔で落ち着いて聞いてね。と話をはじめたので一気に不安になりました。話の内容は、エコーで子宮頸菅長を見ていたところ、一見長いのだけれども定期的にすごく短くなる。陣痛が来ている可能性があるからLabour Suiteに行って経過観察をしなければならない。と言われました・・・泣
Labour Suiteとは赤ちゃんを産む部屋で、J1君出産時の事を思い出し今日産まれたらどうしよう?とめちゃめちゃ不安になりました。
この日は無事、陣痛も治まりこれから37週までは毎日のプロゲステロンというホルモン投与で妊娠状態を保つことになりました。オーストラリアは、絶対安静というチョイスはあまりないようで、日常生活は普通に過ごして大丈夫と言われました。
こんな時に限ってJ1君とパパと一緒に来ており、J1君もLabour Suiteで9時間くらい一緒に過ごしました。(これからこの部屋に何度も家族全員で泊まる事になるw)

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早産予防のProgesterone Pessaries

日本では点滴だったり注射だったりが多いように見られますが、安静入院を推奨してない私の病院はプロゲステロンホルモン膣薬(Progesterone Pessaries)を処方してくれました。
プロゲステロンとは黄体ホルモンの事で、妊娠の準備をするよう女性の体を変化させ、妊娠中は出産まで妊娠を維持させる役目があります。毎日このProgesterone Pessariesを使うのですが、先ほど書いたように生理前や妊娠初期にでるホルモンがたくさん含まれているため生理前のイライラ・むくみ・肌荒れあとはなんとつわりまで返ってきました・・・
ほぼ何も食べれず毎日ムカムカしたりとにかく不調の日々でした。
もちろん個人差があると思うので、私の経験上です。

あと・・・・このプロゲステロン膣薬やばいのは副作用だけではなくお値段!!
なんと一錠10ドル以上!Medicareも効かないのか切迫早産オージーママに聞いてもほぼ同じ値段でした。何回か先生が病院内の薬局で処方してくれてタダでした。(多分先生も同情する高さ)

遂に来た!34週での破水。

切迫早産になった時から34週になると大体の臓器が出来上がってるため、34週が一先ずのゴールだよと言われていました。33週4日くらいで34週の検診があり(そこはやはり適当なオーストラリア)もうここまで来たら大丈夫だからリラックスして、楽しくやりたい事していいよと言われました。マジで!?ほんとに?なんでも?と聞くとBondi BeachからCoogee Beachまでのジョギングはやめてほしいけどと言ってました・・・(笑)もともとそんなジョギングとかするアクティブな人間ではないので大体の事は大丈夫なんだと認識しました。

34週になった日、日常生活は普通で良いと言われましたが一応自宅で安静するようにしていたのでもう何か月も外食をしていませんでした。旦那がせっかくだからVivid Sydneyのライトアップを見に出かけようと誘ってくれたので家族で出かけました。久しぶりの家族そろっての外食を楽しんで帰り道で何回もトイレに行きたくなりました。妊婦に頻尿は付き物なので何も思わず帰宅して普通に寝ました。

寝ているとじわっと自分のズボンが濡れていく感触で目が覚めました。破水したとすぐわかり旦那を起こして病院へ連絡。陣痛は来てないようだけどとりあえず来てほしいと言われ準備。軽ーく準備はしていましたが、まだ全部ではなかったので旦那に頼んだところ大荷物で中身をチェックしてみたら、パニック状態だったのかJ1君のパジャマ3セット入ってて、あれ?旅行行くと思ってる?と笑いが出ました。

破水後の生活(5日間)

病院にて破水検査をしてもらいましたが検査をする助産師さんが「あー。もうプール並みに羊水が出てるから確実に破水してるけど一応しようねー。」と笑いながら言われました。
両実家とも日本なのでこんな真夜中に預けれる人もおらずJ1君を一緒にまたまたLabour Suiteへ。移動してもベビーカーで爆睡のJ1君にめっちゃ感謝しました。
病院に着いたのが夜中の2時くらいだったのですが、その日の午前中まではLabour Suiteで経過観察をし陣痛が来てないことを確認しました。ほかにもエコーをしてベイビーの大きさなどをチェックしました。34週だったので助産師さんは安心してと言ってくれましたが、赤ちゃんが少し小さかった様で、これからの対応としては陣痛がきた場合は止めないけれど、促進剤で出産を促すこと羊水感染がない限りはしないという感じでした。

この5日間がほんとに辛かった・・・!!
毎日前駆陣痛との闘いでした。もう破水しておりNSTもバンバン反応してるので病棟の看護婦さんもビビッてすぐ分娩室送りにされるのです・・・ただ毎回産まれると信じてLabour Suiteに行くので全ての荷物をまとめ、看護婦さんたちにもお別れを言い・・・・・ただ毎日産まれずに帰ってくるのですが。(笑)

破水をした後、一番怖いのが子宮感染症です。羊水チェックは毎日ありナプキンに付いている羊水の色を4時間に一度くらい確認しに来ていました。まず第一は清潔を保つ事で、シャワー時はパパっと全身流すだけ(綺麗にする事を頑張ると逆効果らしい)・用を足した後は拭かずにシャワーなど色々指示がありました。
妊娠四日目の朝、今まで見たことのない看護婦さんが朝の担当でした。前の日からナプキンの色が少し変わったかも?てな感じで、皆さん結構警戒してましたが、この看護婦さんはもうこれは確実にアウトよ!とまあまあ大騒ぎ。
何度分娩台に乗っても産まれず帰って来てる自分は大丈夫だろうと思っていました。NSTを何度も付けましたが何もなく、逆にその日の朝まで分娩室にいたので寝不足のせいで体調悪い気がしてきました(笑)
夕方になりその看護婦さんのシフトも終わる時、わざわざ引き継ぎの看護婦さんを連れてきて、NSTはノーマルだけど私の羊水はかなり緑によってるから何かあったらすぐにドクター呼んでとしっかり伝えてくれました。

そのあと、パパとJ1君が来てたけど寝不足のおかげで体がだるい気がして帰ってもらいました。夜の8時ごろ目が覚めて、寒気が止まらなくなりました。ナースコールを押して説明するとすぐにドクターが来てくれて色々チェック。ボス先生と話し合いしたのち、今から産もう。と言われました。
この5日間いや、今年で一番寝不足な日に産むなんて産まれてからの体力も心配・・・でしたが、旦那に連絡をして今日は確実に生まれるからJ1君のお世話をシェアメイトにお願いしてもらいました。

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初の誘発分娩・無痛分娩

今回の妊娠で分かった円錐切除術の後遺症を考えるともう子供は産むことがないかもと自分でも前々から考えていたこともあり、今回はJ1君の時に経験してない出産をしたいと思っていました。
J1君の時は陣痛から始まり人工破水、無痛分娩にもしませんでした。今回は破水を始めて経験(早期破水は望んでいませんでしたが)・そして誘発分娩となり一度落ち込んでた気分も、もうやるしかないという感じでノッテきました。
抗生物質の点滴やステロイドなど、34週と言ってもすこし小さい赤ちゃんと予想せれていたので打ちました。12時ごろからやっと少しづつ誘発の薬を始める事になりましたが、J1君の時の激痛経験があるからか最初の4時間くらいは結構余裕でした。(笑)
ですが朝5時を回ったころには、この世のものとは思えない激痛が始まる・・・促進剤を使ったお産は地獄と聞いていましたが、ほんとに地獄でした。泣
何度か子宮口は見てもらったものの、やはり円錐切除の時の手術跡が固くなっているようで子宮口は開きが悪く気が遠くなりました。
隣の妊婦さんが無痛にするらしいという噂が回ってきた時に、え?私最後のお産なのに無痛分娩経験してない!!!となり、焦って無痛に切り替えたいと伝えると、無痛麻酔の先生7時からオペが入ってるから7時45分からなら大丈夫との事でした。そんなに痛いならもうそれまでに生まれるかもよと言われましたが、この痛みも辛いしただただ無痛分娩味わってみたかった!!!!

7時45分になり、麻酔科の先生が来て説明を受けました。脊髄に注射をするから背中をまっすぐにしてじっとすることが必要ということでしたがなんせ陣痛はもうマックスレベルで1分動かずに居られるかが大問題でした。。背中に局所麻酔をして脊髄注射を始めましたが、もうね・・・背中にネジ入れられてるような感じで想像しただけで鳥肌でした。(2回目で成功しました)

無痛分娩にしてからはね。もうね、ほんと天国!日本のように完全に下半身の感覚が無くなるわけではないのですが、笑気ガスで対応可能レベル!天国過ぎて笑いが止まらなかったのを覚えてます。(笑)
まあ時間も1時間くらい経ってるし内診してみると、もう子宮口は9センチ。しかもJ2君は早産時ですのでもうでかかってて、助産師さんにせっかく無痛したのに、あと10分で産まれるねと笑われたのを覚えてます。(笑)
急に、いきみたい感じになったのです先生が来るまで赤ちゃん取り出せないらしく助産師さんがJ2君の頭を押さえたまま待ちました。NICUの先生たち4人くらいが入ってきた瞬間いきんで良いよーと言われ、一回いきむとスルっと出てきました♡

肺が完成してるか分からないから産声は聞けないかもと言われていたので、産まれてしっかり泣いているJ2君を見て涙が止まりませんでした。

顔を見てすぐNICUに連れていかれたので私は見てないのですが、素早く色々なテストをされ10分後には血液型までわかっていたらしいです。(オーストラリア人は血液型知らない人が多い)

産前に予想していたより大きく2090グラムで産まれたJ2君。他にも体温調節は2日でクリア、ミルクも母乳も良く飲んでいたので産まれて10日でのスピード退院でした。

まとめ

またまた長くなってしまった出産レポート。思い出がたくさんありすぎて、短くまとめるのが難しい・・・

円錐切除後の妊娠エピソードはあまり耳にすることが少ないと思うので誰かの役に立てればと思って書きました。結果的にJ2君は、小さい以外に問題はなく生まれたのですが、そうではないケースもあると思います。円錐切除術後の妊婦さんだけではなく、切迫早産ハイリスク妊婦さんは日々の不安やストレスも本当に多いと思いますが、1日でも長くお腹にいてもらうためにリラックスして赤ちゃんと会える時を楽しみに待ちましょうね!

書ききれない事も沢山あったので質問などあれば、コメントください♡

バイリンガル保育士SAYAKA

バイリンガル保育士SAYAKA

シドニー在住のジェイ家族です。パパはオーストラリアのお堅い情報・ママは子育て情報発信します!
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