小児鼠径部ヘルニアとは?

小児鼠経ヘルニアとは、足の付け根(鼠径部)またはおちんちんの上の部分がポコッと飛び出す病気です。一般的には脱腸と呼ばれる由来に、胎児期に精巣と卵巣の移動のために必要だった穴が生まれてからも塞がれずそこから腸が飛び出すことです。
泣いたり踏ん張ったりしていると大きく膨らむので見つけやすいですが、穴が小さければ走り回れる様な年ごろまで見つかりにくい隠れ脱腸もある様です。

ちなみに、2‐5%の確率で小児鼠経ヘルニアになるという統計ですのでクラスに一人くらいいる結構身近な病気です。

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そもそも我が家は脱腸家系

今回のこの記事には、J2君の事を書くつもりですがなんといっても我が家はダッチョ家族とあだ名が付くほど脱腸家系です。
我が家も私以外は脱腸手術をしていますし、ジェイぱぱのお父さんもしてます。

信用できるリサーチや統計は見つけられませんでしたが、ファミリードクターは“ここまで脱腸だらけなら遺伝なのでは?”と言われました。(笑)

実は超怖い嵌頓(かんとん)・症状

小児鼠経ヘルニアは自然治癒の可能性もあるそうです。ですが、気を付けなければいけないのが“嵌頓”です。
通常の脱腸は、“穴”を通って出たり入ったりするものですが、腸が出てしまった後に何らかの原因で腸が戻らなくなると血行障害を起こします。

その状態の事を、嵌頓(かんとん)と言います。

膨らみが赤くなる・固くなる、そして子供自身の発熱・おう吐・痛みも伴ったりします。長く嵌頓状態でいると腸が腐敗することもある様です。

嵌頓は一歳未満の乳児に起きやすい様です。ちなみに我が家のJ2君は手術時10カ月でした。

初めて脱腸を疑った時

J1君も脱腸でしたので、最初から疑いの目を向けていたこともあり、生後三か月くらいにはこれは脱腸だよな?と思ってました。

検診の時などに一応これ脱腸じゃない?と聞いても、“まだ治るかもしれないから!4カ月だし!”的な感じで流されます。

オーストラリアあるあるですよね。(笑) 良い意味でも悪い意味でも前向きな結果を目指して経過観察しましょう。なスタンスです(笑)

その後も、泣いたりすれば脱腸部分が大きくなったりはするのですが普通にしてればそんなに出てこないので半年検診も、ドクターに“I’m not convinced.”(脱腸疑惑にあまり納得はしてない)と言われ、マジあんた何様?と思っていました。あまりにも私が粘るので一応エコーのReferral(紹介状)をくれました。

母の勘は当たります!
粘って納得のいく検査をしてもらいましょう!

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タイミング最悪のコロナ禍

そうです。2020年の最大の事件と言えばコロナ禍ですね。(厳密にいえばまだ終わってないので2021年もかも。)
せっかくエコーへの紹介状を手に入れたのに、URGENT(緊急)以外の患者は受け入れなくなってしまったのです。
我が家が住んでいるシドニーはロックダウン自体は4月あたりから始まったもの、2月あたりから色んな規則が施行され普段の様な生活はできなくなり始めてました。
そこで、打つ手が無くなってしまった私たちは足止めを食らいます。。。(泣)

嵌頓の始まり

4月のCOVID-19ロックダウン中、J2君が体調不良になりました。症状としては、軽い発熱・おう吐でした。気分が悪いのか、抱っこしても何しても泣き止まず、飲み物を飲ませてもそのままおう吐です。

コロナ禍中、GPはコロナ検査陰性が出ないと診察してくれないですし救急に行った方が早いと思い救急病院へ。オムツを変えた時にまた脱腸してたのを覚えていたので、一応受付で“He could have incarcerate inguinal hernia.”と言い、一応取っていた写真も見せました。

ドクターも一応話は聞いてくれて、脱腸も認めてくれました。ただ尿検査の結果、膀胱に細菌が入っているので今回の発熱はそのせいだろうということでした。一応小児外科の先生を呼んでくれて診てもらうと、嵌頓を起こしかけているしもう10カ月だし自然治癒の可能性も低いから手術をしようと言われました。

ですがコロナで必要最低限のオペしか出来ないので生死にかかわるわけじゃないオペは5カ月待ちと後で連絡が来て絶望でした。何よりも、J2君が泣くたびに嵌頓を起こしてるんじゃないかと思い気が気じゃなく泣くたびにオムツを開いてチェックしてました。

今思うと、心配で私自身も気が滅入っていたと思います。

急変した嵌頓(かんとん)怒涛の24時間

救急病院に行った5日後、J2君がまた発熱・おう吐と体調悪そうにしていました。
嫌な予感がしましたが、結局膀胱炎そしてまだ抗生物質も飲み切ってないのに、何度も救急病院に行ったら頭おかしい親だよなと思い気が引けました。
(長くなるのでカットしますが、この5日間でJ1君が目の上を切り流血で病院→そこに菌が入り大熱で病院→経過観察で病院と救急病院にナースさん並に通っていました。泣)

ですが元小児科ナースのママともに写メを送って電話したところ、嵌頓ありまくるから行った方が良いと言われ決心していきました。(方向音痴ですがもうナビなくても行ける様になりました。)
毎度のごとく入り口で問診時に脱腸写真を見せ待っていたら、すぐ呼ばれました。

膀胱炎は治療中でしたがまだ薬も飲み切ってないので、もう一度尿検査しましたがオールクリアでした。前回と全く違ったのは、J2君の体調の悪さ。

熱は39度以上・病院内でも何度もおう吐・挙句の果てには水分も取れず点滴してもらっていました。
待っている間、何人もの小児科医が脱腸を戻そうとトライしました。遂に小児外科医も加わり具体的な治療の話し合いをしました。
まず、
1.腸が壊死するからこの脱腸を一刻も早く戻したい。
2.ここまで腫れていたら痛いだろうから麻酔を入れる。
3.戻らなかったら今から緊急手術。

めちゃ優しそうなおじいちゃん先生が登場して、これまで多分7人くらいトライしたけど戻らなかった脱腸を3分くらいかけて戻しました!スゴイ!

3分間押さえつけられて痛くて泣いているわが子を抱っこして泣きそうになっている私を見て、「脱腸を戻して、準備万端で手術した方が腸をメスで切ることもないし麻酔も安全に出来る。いっぱい泣かせてごめんね。」と慰めてくれました。
内心、それ先に言ってくれよ、とも思いました。(性格悪くてゴメンナサイ)

そして去る時に「今夜は早く寝た方が良い。また明日の朝ね!」と彼氏の様な発言をしていったのでハイ?ってなってたら一緒に来てた小児外科の先生が今日は帰れないよ!知らなかった?と笑ってました。。。

また脱腸が戻れば家に帰されて、すでに決めていた手術の日を待つと思っていた私はエエエエエエエエエエェェェエエエエエ!?とかなりビックリ!
慌ててダーリンに連絡して、荷物を持ってきてもらいました。


その後、脱腸が一旦戻ったJ2君はおう吐も発熱もなくなり、病室でもあまり愚図ることなく次の日を迎えました。

鼠径部ヘルニア手術・術後経過

ほんとにこんな部屋でした。↑

脱腸の手術自体20分ほどで終わるので、待ち時間もほぼ無かったです。
術後も麻酔が切れた後は、吐き気があったのかグズグズしてましたが2時間もすればケロッとしてお菓子を食べてました。
お産後もそうでしたが、自宅でゆっくり療養するのがオーストラリア流ですので手術後三時間くらいで帰宅許可出ました。
2週後くらいに傷の治りチェックに行き、順調に治っていたので完治となりました。

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まとめ

J1君は日本・J2君はオーストラリアで脱腸手術をしました。
J1君の手術時は5カ月だったので、離乳食も始まっておらず手術当日の朝の授乳は出来ませんでしたが、その他はほぼ普通通り過ごせました。
J2君の時は10カ月。断乳済みでミルクは朝晩のみでしたので体調悪い時・術後の愚図りなどの対応に少し体力使いました。
日本では手術室の前でお別れな感じでしたがオーストラリアは手術室の中まで入って麻酔がかかるまで一緒に居ました!

鼠経ヘルニアはほとんどの場合が先天性みたいなのでなる時はなるって感じで予防法とかは無さそうなのであまり心配しすぎることはお勧めしませんが、嵌頓の症状などメジャーなものは調べていた方が良さそうですね。


私自身、第一子が脱腸経験してなければ第二子のおう吐・発熱で嵌頓かも何て思わなかったでしょうし、やはり知識は強いですね。

我が家ダッチョ家族の脱腸経験が皆さんの役に立てると幸いです!



バイリンガル保育士SAYAKA

バイリンガル保育士SAYAKA

シドニー在住のジェイ家族です。パパはオーストラリアのお堅い情報・ママは子育て情報発信します!
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コロナ禍中。オーストラリアで鼠径部ヘルニア(脱腸)手術」への1件のフィードバック

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